プロたちが信頼するクラブメーカー
松吉宗之の渾身作。
ジューシー「tQアイアン」
ジューシー「tQアイアン」。見た目はトラディショナルだが、その性能は超最先端だ
「ジューシー」というクラブメーカーをご存知の方はまだそう多くないかもしれません。しかし、熱心なクラブ好きの間では既に知られた名前で、ツアープロを含む上級者からの支持される、知る人ぞ知るメーカーです。
有名クラブメーカーで設計家として長く勤務し、プロゴルファーへのサポート経験も豊富なデザイナー・松吉宗之さんが2018年に設立。これまで2本のウェッジを世に送り出し、それらはプロツアーでも使われています。
そんなジューシーが、満を持して発表したのが今回ご案内する「tQアイアン」です。このtQアイアン、一見よくあるマッスルバックなのですが、その中身はいい意味で“普通じゃない”ちょっとすごいアイアンなんです。
5番は上げやすく、9番はコントロールしやすい。
「tQアイアン」の“番手別”のやさしさ
マッスルバックアイアンは、多くの場合「操作性の良さ」に特化した性能を持ちますが、tQアイアンの場合、5番アイアンは上がりやすさとインパクト効率の安定を重視、
9番アイアンは逆に上がりすぎずにコントロールしやすいことを重視する……といったように、番手ごとに「やさしさ」を定義。5番からピッチングまで、まるで6本の別のクラブをデザインするように、1本1本が最適に設計されています。
5〜7番にはスリットが入れられ、上がりやすい重心位置に
たとえば「上がりやすく打ちやすい5番アイアン」をつくり、そのコンセプトに基づいて他の番手もつくると、9番は上がりすぎ・つかまりすぎになりがち。9番やピッチングは無意識に抑えて打っている、という方もなかにはいるのではないでしょうか?
tQアイアンの場合そのような細工は無用。全番手、気持ちよくフルショットしたときに最高の弾道が出る。そのような設計がされています。
番手ごとに性能が最適化されているというと、「セットとしての統一感がないのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、それは杞憂。重心点はすべての番手でピッタリと揃えられており、構えたときの「顔」の印象も統一感をもってフローしているのです。
つまり、全番手同じように構えることができ、同じような振り心地でスウィングできる。それでいながら、性能は5番からの6本がそれぞれ独立したクラブであるかのように最適化されている。それが、tQアイアンのすごいところなのです。
ゆえに、「7番と8番で顔の印象がガラッと変わってしまう……」「6番だけ妙に打ちにくい」「ロング番手は打ちやすいが、ショート番手が打ちにくい(あるいはその逆)」というアイアンセットにありがちな悩みとは無縁なのです。
ジューシー「tQアイアン」の重心設計。
見た目はトラディショナル。性能はモダン!
見た目はシャープなマッスルバックですが、実は通常のマッスルバックに比べるとサイズはひと回り大きめ。一般的なマッスルバックの重心高さは20ミリ前後ですが、tQアイアンの場合17ミリ台と低重心になっています。
また、5番から7番までの(現代的な意味での)ロング〜ミドル番手ではバックフェースにスリットが入ることで深重心化も図られています。これは、現代の低スピン化が進むボールでも打ち出し角を確保するための工夫。深い重心で球を上げ、
低い重心で打点を最適化することで、しっかりと振っただけ飛び、かつ落ち際までスピンが残る性能を確保しています。「上がってスピンはかかるけど飛ばない」というありがちなマッスルバックではなく、「上がり、飛び、スピンが残る」性能はきっと使う人を驚かせることでしょう。
見た目はシャープなマッスル。なのに打ちやすさは抜群。それがデザイナー・松吉宗之のこだわりだ
8番からピッチングのショート番手はその逆。重心点はフェース面により近づき、低すぎず、深すぎない位置に重心点を持ってくることで、スピンがしっかりとかかりつつ、上がりすぎない性能に。あえてクラブが上を向きやすく“しない”ことで、
気持ちよく振ったときに最適な高さまで最適なスピンとともにボールを上げてくれる、そのような仕様になっています。繰り返しになりますが、「9番はフルショットするとフケるから……」と抑えて打つ必要は、tQアイアンの場合ないのです。
このようにこだわり抜かれた重心設計を施した理由は、現代の高慣性モーメントドライバーとの相性を良くするためというのが理由のひとつ。重心距離が長く、深く、慣性モーメントの大きい現代のドライバーは、フェースを大きく開閉しない打ち方を求めますが、
多くのマッスルバックアイアンはそれと真逆の性能を持つことがほとんど。それだと、ドライバーとアイアンで違うスウィングをする必要が生じてしまいます。
それを防ぐため、tQアイアンは従来よりも少しだけサイズを大きく、重心距離を36ミリ台後半と通常のマッスルよりも2ミリほど遠い位置に統一した設計をすることで適度な操作性を保ちつつ、さらにフェース面をキープしやすいアイアンとなるよう、数値には現れない綿密な重心設計をおこなっています。(そして、そうすることによってミスヒットが出にくくもなります)
番手は違っても、3次元上の重心点は揃っている
ジューシー「tQアイアン」に個体差なし。
機械加工ですべての個体が設計通りの性能を発揮
そして、このように精密にデザインされたアイアンの性能を引き出すのが機械加工による製造です。鋳型に鉄を流し込む鋳造、鉄の塊を叩いて成形する鍛造とも異なる“第3の選択肢”として注目され、“削り出し”とも呼ばれる機械加工の最大の特徴は他の製法よりも優れた製品精度にあります。
ソールからリーディンエッジにかけて残る機械加工の跡は精度の証明
機械加工ではプログラムに基づいて大型の切削機械が鉄の塊を複数の切削工具を用いて削り出していきます。人間の手を介さないため、仕上がりはつねに同じ。製造誤差がなく、すべての個体が設計意図通りの性能を持って出荷されてきます。
機械加工を用いて作られるクラブは近年増加傾向にありますが、なかには「ソールだけ機械加工」「バックフェースだけ機械加工」というクラブも少なくありません。tQアイアンの場合は、鉄の塊をイチから削り出すフル機械加工。リーディングエッジのR(円の半径、転じて曲がり具合のこと)を0.2ミリだけ広くしたり、狭くしたりする。
そういった超微細なこだわりを実現するためには、機械加工が必要なのです。
たとえば、プロのクラブがアクシデントで破損したとしましょう。tQアイアンの場合、翌週の試合から“慣らし”なしで即実戦投入が可能。そのレベルの精度ですべてのクラブが作られ、その上で見た目の美しさを求めるためにパフォーマンスに影響しないバックフェースのみ研磨をかけて加工跡を消すこだわりぶり。
ニッケルクロームのパール仕上げを施されたアイアンは、所有欲をガツンと満たしてくれるはずです。
このアイアンの対象ゴルファーは「球を打つことが好きな人」だとデザイナーの松吉さんは言います。ミスヒットをナイスショットに変えてくれるわけでも、7番で5番の距離が打てるわけでもない。
しかし、ナイスショットしたときに人生最高の球が出る。それを喜んでくれる人に使ってもらいたい。そんなアイアンがジューシー「tQアイアン」なのです。
機械加工で削り出したのち、性能に関わらない部分は研磨。モノとしてのあたたかみを感じさせる
長く続くゴルフライフのお供にぜひ選んでいただきいたいアイアンが、できました。
ジューシー「tQアイアン」のスペック
「ピッチング」か「46度ウェッジ」かが選べます!
このtQアイアン、実はもともと5番から9番までの5本セットでの発売が予定されていました。そのため、ジューシーの人気ウェッジ「tHウェッジ」の46度と「tQアイアン」の9番は違和感なくフローします。
しかし、開発の途中から「やはりピッチングも欲しい」というプロ・アマチュアの声が聞かれ、それに応じるカタチでピッチングウェッジも追加。現在の6本セットとして完成したという経緯。
そのため、「セットのPWか、単品ウェッジの46度かが選べる」という仕様となっています。単品価格は単品ウェッジのほうが5000円(税抜)高いのですが、セット特典として割増価格はありません。
ロフトはセットのPWも単品ウェッジも同じ46度。PWはフルショット中心で使いたいという方、セットにはPWも入っていないと落ち着かないという人、つまりPWをアイアン的にとらえたい人はセットのアイアン、46度ではコントロールショットを中心にしたい、100ヤード圏内はフルショットをしないというタイプの人は単品ウェッジをお求めいただくことで、よりご自身のゴルフにフィットしたセットをお届けすることが可能です。
tH wedge4610Kウェッジ(46度)
tH wedge4610Kウェッジ(46度)スペック
素材・製法:軟鉄/鍛造+FULL CNC 削り出し
仕上げ:Ni+Cr メッキ・スモーキーパール仕上げ
バウンス角:10度
ライ角:63度
【検証】“PWから8番”と“7から5番”で設計が違う⁉ いま流行りの“コンボアイアン”アマチュアは使うべき?【試打】
詳細情報
- 商品名:ジューシー「tQアイアン」6本セット
- セット内容:#5~PW(6本セット)/ #5~#9・tH wedge4610Kウェッジ(46度)(6本セット)
- シャフト:NSPRO950GH neo(S)/ NSPRO MODUS3 105(S)/ KBS Tour(S)/ KBS MAX80(S)
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