話題のカスタムクラブをレッスンプロ・森山錬がチェック。今回は富山のカムイワークスがはじめた新ブランド「レックス&レジーナ」のドライバーと、シンカグラファイトの異色シャフト「ジンガー」の組み合わせをテスト!
「落ちてからの球の勢いが止まらない。『飛ぶ棒球』がヘッドスピード40m/sで打てます」(森山錬)
「レックス&レジーナ」は、富山県のカスタムメーカー・カムイワークスが昨年立ち上げたブランドで、カムイワークスのこだわりでもある飛ばしの性能に加え、方向性の良さを兼ね備えた「男性のみならず女性にも使えるやさしいクラブ」をコンセプトにしているという。
このレックス&レジーナの「SL」ヘッドにシンカグラファイトのジンガーを装着したドライバーを試打する。
実はこのジンガー、元々は練習用のシャフトとして開発していたのだが、飛距離が出るうえにスウィングが驚くほど良くなるので、一般のドライバー用のシャフトとして販売をすることになったという。
まずは、森山錬プロに構えた時の印象を聞いてみた。
「フェースとクラウンの境目のトップラインに削りが入っていて少しバックフェース側に下がっている感じの処理の仕方をしているので、構えたときにフェースが(クラブヘッドから離れて空中に)浮いているように見えます。フェースの情報がダイレクトに伝わってくる感じで、真っすぐに構えやすいですね」(森山錬:以下同)。
では、さっそく打ってみよう。まず3球ほど、通常のスウィングで打ってみる。
1打目はややフェードで総飛距離296ヤード。2打目は3打目はきれいなストレートボールで、305ヤード、301ヤードと申し分ない飛距離をマークした。
「1打目は少し開いたけどスピン量は2348rpmでしたから、吹けたスライスになることなく、やや右に出たパワーフェード系の球になりました。2打目、3打目はスピン量は1600(rpm)台の低スピンで、共にキャリーしてからのランは30ヤードもありました。通常のスウィングでもスピン量が抑えられ、球が『前に前に』行く印象が強いです」
ちなみに、この『ジンガー』は今流行りの1フレックスのシャフトで、50グラムと60グラムの2モデル展開となっているが、どうだろう。
「軟らかくて、けっこう動いてくれる感じがあります。レッスンをしていて、アマチュアは硬すぎるシャフトを使っている人が多く、スウィングバランスを整えるためにも軟らかいシャフトで練習をしてもらったりするんですけど、そういうスウィング作りにいいかもしれないですね」
4打目はかなり強振。やや右方向へ出たストレートボールで、飛距離は今日イチの318ヤードをマークした。
「普通あれだけ振って右に出るとスピンがかなり掛かってかなりのスライスになるはずなんですけれど、スピン量は1500回転ですからね。気持ち良く振って行けますね」
最後に、ヘッドスピード40m/sくらいのイメージでゆったり打ってみると総飛距離は258ヤード。特筆すべきはランが38ヤードも出たことだ。
「落ちてからの球の勢いが止まらないです。いわゆる『飛ぶ棒球』って、ある程度のヘッドスピードが無いと打てないと思われますけど、このヘッドとシャフトの組み合わせのドライバーならHS40m/sの人でも棒球を打つことができました」
最後に、森山プロに「レックス&レジーナ SL×シンカグラファイト ジンガー カスタム」の印象をパーツごとに詳しく語ってもらおう。まずヘッドから。
「ヘッドの印象としては、振っても球が左に全然行かないで、とにかく『前に前に』というゴルファーの気持ちを体現してくれるヘッドですね。スピン量をかなり抑えてくれる印象で、多少のミスは心配いらないんじゃないかなという印象です」
次にシャフトに関しての印象は。
「振っている時に、『あ、シャフトがしなっているな』と感じるくらい動くんですけど、それが“暴れ”にはならずにちゃんといい方向に働いてくれるという感じですね。ターゲット方向にだけ、しなるような感覚があるので、フェースがクルンと返っちゃうような動きは少なく安定して打ちやすいです。振りたい速度域に対してシャフトが合わせてくれるということを凄く感じます」
最後にクラブとしてのトータルの印象は。
「ヘッドが生み出すスピンが抑えられた強い球を、軟らかいジンガーシャフトのしなりが、ちょっと上に押し上げてくれることで『前に前に』という弾道になっています。ッドスピード40m/sくらいの男性はけっこう多いと思うのですが、調子が悪くなってしまったと感じるときに、このクラブでタイミングを合わせていきスウィングの調子を戻すという考え方もできると思います」