話題のカスタムクラブをレッスンプロ・森山錬がチェック。今回は、カスタムメーカーのエミリッドバハマのドライバーヘッド「CV11プロ」に、デラマックスのシャフト「08D」を組み合わせた 「CV11プロ虹デラカスタム」ドライバーを試打。
「エミリッドバハマ」は愛媛県松山のヘッドメーカーのグランプリが手掛けるドライバーヘッドで、インパクトで叩きにいっても吹き上がらず、左に行かないことで知られるが、今回の「CV11プロ」は、“もっとやさしく”をコンセプトとしているヘッド。
それに合わせるシャフトはデラマックス「08D」、通称“虹デラ”だ。デラマックスの大ヒット商品である、しなり戻りの良さが特徴の“赤デラ”と、元調子の“青デラ”の中間的なシャフトで、シリーズ過去最速のしなり戻りを誇る。
今回試打するクラブのスペックはロフト11度、シャフトは46グラムのSRと52グラムのS。特にSRのほうは、数字だけ聞くと「パワーのないゴルファー向け?」と思う方も多いかもしれないが、さにあらず。
CV11プロは超がつくほど低スピンヘッドなので、その分、ロフトを付けてキャリーを最大限に稼ぐというコンセプトで、むしろしっかり振っていきたいゴルファーにこそオススメのモデルだという。虹デラの4SRにも頼りなさはまったくない。
一体このカスタムドライバー、プロが打ったらどう感じるのだろうか。森山錬プロに試打してもらおう。まずは見た目の印象から。
「ロフトが立ちすぎているとフェースの向きが分からなくなるので構えにくいということがあるのですが、11度あるとフェース面が見えて、ココに当てるというイメージが出しやすいので振りやすいですね。」(森山錬:以下同)。
試打を始めよう。まずは4SRのモデルを普段のヘッドスピード40m/s台後半で打ってもらった。かなりアンダースペックに感じるが……。
■1球目
キャリー:279ヤード、トータル:302ヤード、ボール初速:70m/s、打ち出し角:14.4度、スピン量:2017rpm、球筋:ややスライス
ややスライスしたにも関わらずボールスピードは「70m/s」でスピン量は「2017rpm」と、かなりの高初速、低スピン。
「どれだけ振っても大丈夫!みたいな感じです。シャフトは46グラムのSRとのことですが、かなり硬い感じがしますね。スペックを言われないとSRだとは分からないです。軽いのでピュンピュン振りたくなっちゃいますし、左には行きそうもないですから、次は、一生懸命振ってみます。」
■2球目
キャリー:286ヤード、トータル:311ヤード、ボール初速:73m/s、打ち出し角:11.2度、スピン量:1995rpm、球筋:ややドロー
「メチャ飛びますね! 初速の速さをかなり感じます。スピンも少ないですが、ちゃんと高さも出ていますね。クイックに振るショートスウィング系の人には合いそうな感じがします。軽いんだけど、シャフトにグッと負荷をかけてもしっかり感があります」
■3球目
キャリー:286ヤード、トータル:315ヤード、ボール初速:72m/s、打ち出し角:11.2度、スピン量:2199rpm、球筋:ややドロー
「やっぱり軽量シャフトだから振れるんですよね。多くの男性ゴルファーにとって、45グラムでこのしっかり感があるシャフトは確実に選択肢の中に入ると思います。僕自身、自分で使うとして、これまでは硬くて軽いシャフトって6Xかなと思っていましたけど、4SRでこのしっかり感が出るなら、ちょっと使いたくなりますよ。面白いクラブですね。」
続いて52グラム、フレックスSのシャフトを装着して打ってみる。
■1球目
キャリー:269ヤード、トータル:301ヤード、打ち出し角:10.9度、スピン量:1717rpm、球筋:ドロー
■2球目
キャリー:279ヤード、トータル:302ヤード、打ち出し角:14.4度、スピン量:2017rpm、球筋:ドロー
「40グラム台のSRより、コントロールできる感じがありました。クラブの重さを感じながらタイミングを取っていくようなスウィングの方が合うと思いますね。」
「数字的にみたら4SRのほうがヘッドスピードがなくてゆったり振る人向けのシャフトに思えますけど、振った印象は逆なんです! 4SRのほうがどんどん振っていける感じがします。重さを感じずにシャフトだけを振っているような感覚すらありますね。だから滅茶苦茶ヘッドスピードを出しやすい。だけど柔らかすぎないので、思い切り振っても左へ引っかける心配はない。どんどん飛ばしていきたいという人にお勧めです。5Sのほうはクラブの重さをしっかり感じることができるので、ゆったり大きく、ボーンと打ちたい人にはタイミングが合いそうです。コントロール性が高く、安定感を求めたいなら5Sがオススメですね」