ロフトが8番なみ、長さはサンドウェッジより短いという「サブロクウェッジ」。アプローチ専用のこのギアを、ゴルフポケットの商品企画担当・Oがコースで100球試打! アプローチが苦手なOに奇跡が起こる!?
サブロクウェッジをコースで打ってみた
「サブロクウェッジ」を試打してきました。サブロクウェッジと言われてもなんのことやらわからない方が多いと思いますが、これは長さが34.5インチとサンドウェッジより半インチ短く、それでいてロフトは8番アイアンなみの36度あるというウェッジ。
プロキャディ・伊能恵子さんの発案から生まれ、今年の春に100本が先行発売されると瞬く間に売り切れてしまったマボロシのクラブです。
このクラブが再発売されたので、コースに持ち込んでその性能をたしかめてきた次第です。
お借りしたのは千葉県にある千葉よみうりカントリークラブの10番ホール。グリーン周りとグリーンの芝の状況は完璧で、最高のコンディションでのテストとなりました。
距離はエッジまで10ヤード、エッジからピンまでも10ヤードの20ヤード。ピンの周りは強いフックラインという難しい状況から、どれほど寄せることができるでしょうか。
サブロクウェッジの安心感がすごい。見た目は完全に「アイアン」
構えてみるとわかりますが、サブロクウェッジは見た目的には完全にアイアン。34.5インチと短いことでヘッドが目と体から「近い」と感じられ、絶対当たるという安心感があります。ちょっと長めのパターくらいの長さですから。
さて、打ってみるといきなりピンを直撃する球が出ました。これはさすがにたまたまだと思いますが、当てやすさと距離感の出しやすさがいきなり確認できました。
使っていて感じるのは、「ああ、これは意外とありそうでなかったな」ということです。
サブロクウェッジはアプローチ専用ギア(実は、林からの脱出やアゲンストの100ヤードを打つのにめちゃくちゃいいことも後日わかったのですが、それはまた別の話)です。
アプローチ専用ギアと聞いて思い浮かぶのは「チッパー」。ソールがめちゃくちゃワイドで、なにがあってもダフらない! という見た目のクラブたちです。
サブロクウェッジは、見た目的にはいたって普通。他のチッパーが形状や設計からして他のクラブと違うのに対して、サブロクウェッジは長さやロフトといった「スペック」だけが違う。
だからこそ一瞬で手と目に馴染む気がします。バッグに入ってても全然恥ずかしくないですしね。これも大きなメリットです。ソールに刻まれた36という刻印は、むしろカッコいいまである。
こういうの、ありそうでないんです。
サブロクウェッジはダフリにくいので、トップだけを警戒すればOK
試打に話を戻しましょう。打っていて気が付いたのですが、とにかく短く、当てやすいので、基本的にはダフリのミスが出にくい。普段頻発するチャックリのミスが、100球打ってほんの2球くらいしか出なかったのは驚きです。
そして、ダフリが出にくいことを背景に、トップだけを警戒して打っていくことができるのも非常に大きなメリットです。スライスとフック、両方を警戒してドライバーを打つことが非常に難しいように、アプローチではダフリとトップの両方を警戒するのは難しいもの。
ですが、サブロクウェッジはダフリが出にくいため、トップだけ警戒しておけば大丈夫なんです。
ミスする心配がないから「寄せる」ことに集中できる
そして、ミスへの不安感がないので、純粋に距離感や、打ち出していくラインに集中することができます。上手く当てようという思考を捨て、思考のリソースを寄せることに集中できる。
100球も打ってれば何発か入るのはむしろ当然ですが、それでもうれしいチップインも何回か出ましたし、なによりほとんどの球がワンピン圏内に寄りました。
私は56度のウェッジをアプローチで使うことが多いのですが、正直自分のエースウェッジでこの結果を再現することはたぶん不可能です。もっと全然球が散るし、チャックリもトップも合計10球で収まればラッキーというくらい出るに違いありません。アプローチを安心して打てることが、これほどストレスから解放してくれるとは、正直知らない感覚です。
動画もぜひごらんください↓
後日ラウンドでも使ってみましたが、その感覚は変わりませんでした。全部が全部オッケーに寄るわけではありませんが、大きなミスは皆無。コースでもだいたいワンピン圏内には寄ってくれるので、すごくスコアをまとめやすかったです。
もちろん、バンカー越えで使えない(球を上げられない)というデメリットはありますが、逆にいえばデメリットはその1点くらい。コースでは林やフェアウェイバンカー、アゲンストの100ヤードといった状況で意外な活躍を見せてくれ、さながらウェッジ版・ユーティリティといった使い勝手の良さがありました。
アプローチが苦手なゴルファーだけじゃなくて、アプローチに課題を感じているすべてのゴルファーが、メリットを感じられるクラブ。
これはいいです、ほんとに。