ジャーマンステンレススチール採用パター「グランディスタ」
プロゴルファー・吉田一尊といえば、飛ばしのレッスンに定評のある名コーチとして知られる人物。なのだが、近年は「もうひとつの顔」で大いに注目を集めているのをご存知だろうか。
吉田一尊のもうひとつの顔、それがクラブ設計家。なかでも、自身が手がけるブランド・グランディスタのパターが一部で入手困難となるほどの人気となっているのだ。
グランディスタのパターがブレイクするきっかけとなったのが、2020年に発売されたパター「マックィーン」。ジャーマンステンレススチールという素材にこだわり、形状においてはシンプルを極めたブレードタイプ。
このパターがクチコミで評判となり、100本を即座に完売。以降、ヘンドリクス、レノン、ニューマンと発表した4つのパターすべてが発売とほぼ同時に完売となっている。そして2022年5月、待望の第五弾がとして発売されたのが最新作「コバーン」。同シリーズ史上初のL字マレット形状のパターだ。
カルト的人気を集めるグランディスタのジャーマンステンレススチールパター。その秘密を探るべく、吉田に話を聞いてみた。
ジャーマンステンレススチールはなにがいい?
ゴルフポケット(以下GP):ジャーマンステンレススチールシリーズのパターが人気です。ジャーマンステンレススチールとはどのような素材なのでしょうか?
吉田:文字通りドイツ製のステンレススチールという素材です。パターでは打感の軟らかいのがいいとされがちですが、ジャーマンステンレススチールは少し硬めの素材。そのソリッドな打感が、プロたちに好まれているんです。
GP:ジャーマンステンレススチールを自身のブランド、グランディスタに採用した理由は?
吉田:私自信がその打感に惚れ込んだことが一番の理由です。さまざまなパターをテストしてきましたが、この素材に勝る打感・打音はありませんでした。
GP:打感や打音がどう優れているのですか?
吉田:しっかりとした感触と音があるので、距離感が作りやすいんですよ。そしてなにより、手に伝わる感触、耳に伝わる音が良いことで気分良くプレーできる。そのような無形の価値もあります。最新作「コバーン」ではフェースミーリングをあえて薄くし、そのことで打感が柔らかくなりすぎないように工夫をしています。
GP:コバーンはシリーズ初のL字マレット形状ですが、その意図は?
吉田:実は私自身がL字マレットユーザーなんです。これまでたくさんのL字マレットパターを使ってきた経験を活かして、究極のL字マレットパターを作ってみたいと思いました。
GP:L字マレットのメリットは?
吉田:L字マレットの特徴はネックがヒール寄りにつけられていること。そのことにより基本的にはゆるやかに弧を描くようなストロークになりやすいので、よりアプローチショットに近い感覚を持つことができます。そのことでアプローチからパターまでの感覚が揃い、とくにロングパットでの距離感が出しやすいのは最大のメリットだと思います。
GP:形状のこだわりは?
吉田:L字マレットはL字の操作性の良さとマレットの寛容性、両方のいいとこどり。ですので構えたときに十分にシャープでありながら、トップブレードの厚みなどでやさしさも感じられるように工夫しています。
GP:打ち方のコツはありますか?
吉田:アドレスに3つコツがあります。まずはハンドアップ気味に構えて、ソールをピッタリと地面につけること。ハンドダウンでトウが浮いてしまわないようにするのがミスなく打つコツです。
GP:あとのふたつは?
吉田:あとは気持ち遠くに構えること。それにより、ストロークがより自然な円弧を描きやすくなります。それと、アイアン的に打っていただきたいのでボール位置は体の中心より左、左足に体重をかけて打つと、よりパターの性能を活かし切れると思いますよ!
グランディスタのジャーマンステンレススチールパターシリーズ第5弾、コバーン。完全数量限定生産で、これまで再販はない。欲しいという人は、ぜひお早めに!