「打たなければ届かない」そうわかっていても打てないのがパター。ショートのミスに悩んだプロがたどり着いたのはマイナスロフトのパターだった。一体どういうこと？
ドラコン界の第一人者である山崎泰宏プロには悩みがありました。「バーディパットがショートしてしまう」というものです。
「僕はドライバーが飛びます。飛ぶので、セカンドショットはウェッジでチョンと打てるから、大概乗る。なのでバーディパットを打つ機会がすごく多いんです、でも、つい『入れたい』という気持ちになってしまってショートしてしちゃんですよ。いつも（笑）」（山崎、以下同）
「マイナス2度」がいい転がりの秘密
豪快なスウィングから繰り出される圧倒的飛距離……とは裏腹に、我らアマチュアと同じような“打てない”悩みを抱えていたというのです。 そこで山崎プロは考えました「じゃあ、ショートしないパターを作ってみよう」と。
「それからいろいろ試しました。重いパターを試作したり、シャフトを長くしてみてり。そして辿り着いたのが『マイナス2度ロフト』だったんです」
通常のパターのロフトは３〜４度。それを思い切って５度程度立てたことにより、「１メートル打ったら１メートル50センチ転がってくれる」状態になったといいます。
「もちろん、マイナス３度や４度、０度……とさまざまなロフトを試しましたが、マイナス２度が一番良かったんです。打つと最初からトップスピンがかかるような感じで、ひと転がり分余計に転がってくれるから、明らかにチキンパットが減り、カップに“届く”ようになりました。届きさえすればいくつかは入りますから、結果的にバーディが増えたんです。メンタルも技術も変わりませんから、パターのおかげですね（笑）」
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マイナスロフトには意外な副産物も。フェース面が見えないことで、パターのトップラインをターゲットに対してスクェアに構えやすいんです。プロが使う道具なので、ほかにもこだわりがあふれています。削り出しボディは座りが極めて良く、つや消しのフィニッシュで晴天下でもまぶしくありません。周辺に重量を配分することでストロークしやすさも抜群。軟らかさの中に芯を感じられる打感も極上です。
ドラコンプロのバーディ数を増やしたマイナスロフトパター、“届かない”人に届いてほしいパターです。
