全番手同じ長さの「ワンレングスアイアン」。いっときのブームは落ち着いた感があるが、その後も実は進化を続けているという。アマチュアゴルファーは結局使うべき? プロに聞いてみた。
なかなか100を切れないゴルファーにとって、最大の悩みはショットが安定しないということだが、なぜショットが安定しないのだろう?
最大の要因はクラブの長さが全部違うというにも理由のひとつ。ショットの要となるアイアンに関して考えてみよう。5番からPWまでの6本のクラブの長さが違うことで、持つ番手ごとに構えから打ち方まで6通りに変えないといけなくなる。これでは、いつまで経ってもショットの安定は望めない。
ならば、アドレスもスウィングも変えなくても良いように、全てのアイアンの長さも重さも同一にすれば良いではないか。どの番手も同じ感覚で振れるようになれば、間違いなくショットは安定するというのがワンレングスアイアンが生まれた背景にある考え方だ。
ところが、 このワンレングスアイアンには問題があった。全てのアイアンを6番アイアンの長さに揃えた場合、7番以下のアイアンは長くなったことでスピン量が増えて球が上がり過ぎて距離が出なくなり、5番以上のロングアイアンは短くなったことでヘッドスピードが落ちて球も上がらず飛距離が落ちるというものだ。
ここにきて技術の進化でこのワンレングスアイアンの懸案が大幅に解消されたという。では、最新のワンレングスアイアンはアマチュアに扱えるものなのか。カスタムクラブの試打でお馴染みの森山錬プロに聞いてみた。
「通常のアイアンだと長さの関係から、ロングアイアンはつかまらず右に吹け、ショートアイアンだとつかまり過ぎて引っ掛けるという左右のギャップがありますけど、長さが同じワンレングスはそれがほとんどない。これはとくに、アマチュアゴルファーのスコアメイクにとっては大きいと思います」(森山、以下同)
そして最大のメリットは、「番手ごとにアドレスを変えなくていいということ」だという。
「極端な話、基準となる番手のアイアンをマスターすれば全てのアイアンが打てるようになるわけで、全ての番手を満遍なく練習するような時間が無い方にもオススメしたいです」
最新のワンレングスアイアンはアマチュアにも扱いやすく進化している。最後にその選び方についても聞いた。
「まず番手ごとのフェースの大きさにバラツキのないものを選びましょう。せっかく同じアドレスで打てるのに、番手ごとにフェースに違和感や変化を感じてしまうのは難しいだけではなく勿体無いと思いますね。あとは、シャフトの選び方が重要かなと思います。自分のイメージより少し柔らかめのシャフトを使ってあげたいです。ロングアイアンはワンレングスだと球が上がりにくくなる傾向があり、シャフトのしなりを使って球を上げたいので、少し柔らかめの方が個人的には良いと思います」
ゴルフギア界に静かに定着しているワンレングスアイアン。一度試してみる価値はありそうだ。
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さらに試打する際にもひとつアドバイスがあるという。
「試打する際はまずワンレングスの基準となっている番手から試打しましょう。その後、苦手な方の番手から打つのがオススメです。違いが分かりやすいので、メリットの大きさや違和感の有無を感じやすく、判断しやすくなるとなると思います。」
ワンレングスアイアン、ぜひ一度試してみてはいかがだろうか。