いまどきのスライス"2大"原因を解消。
飽きずに続けられる実打可能な練習用ドライバー
小さなドライバーヘッドに、パター用のグリップ。シャフトは重量級のスチールシャフト(43.5インチ)を装着
ギアがどれだけ進化しても、ボールが回転しながら飛ぶかぎり「スライス」を防ぐためには正しい「入射角と軌道」「フェース管理」が欠かせません。これは昔も今も同じ。
しかし、「入射角と軌道」については、ギアの進化(ドライバーの大型化・長尺化)とともに、昔とはエラーの内容が大きく変わったと関浩太郎プロは言います。
「パーシモン時代はダウンスウィングでシャフトがスウィングプレーンより立ちすぎてしまうケースが多かったですね。低く左に飛び出して2段ロケットのように右に大きく曲がるスライスでした。でも現在は、スウィングプレーンよりシャフトが寝てしまっている方が多く、同じスライスでも右に高く飛んでさらに右に曲がるスライスになっています」(関プロ)
重く短いドライバーを使っていた時代はダウンスウィングでシャフトが立ちやすく、長く軽いドライバーを使う現代はダウンスウィングでシャフトが寝やすいということ。
そこで、現代の「スライス」を解消するために関プロが開発したのが練習用ドライバー「スウィングアナライザー435」です。
理想的な「入射角と軌道」会得のコツは、
パーシモン時代のドライバーにあり!
ヘッドは小ぶりな310cc。いまどきの3番ウッドくらいの大きさ。重量は205gと重め。
関プロが開発した練習用ドライバー「スウィングアナライザー435」。そのスペックを見てみると、長さは43.5インチ。スチールシャフトの重さは120グラム(総重量は440グラム)。ヘッドは現代の3番ウッドくらいの大きさ。そう、かつての
パーシモンのドライバーとほぼ同じスペックになっています。
これは、現代のクラブと交互に振ることで、シャフトをダウンスウィングで寝かせすぎているゴルファーに、シャフトを立てて降ろす感覚を浸透させるため。あえて、現代のドライバーとは真逆の短く重いドライバーを製作したのだそう。
「ドライバーが昔より長くなった分、ボールから離れて立つことになりました。その分だけシャフトが寝やすくなり、フェースが開いて当たりやすくなっているんです。これが現代のスライスの大きな原因です」(関プロ)
シャフトは重量級の120グラム。現在主流の50~60グラム台のカーボンシャフトと比べるとその差は歴然。
「この重く短い練習用ドライバーをダウンスウィングで寝かせようとすると、クラブが重いのですぐにダフリます。だから自然とシャフトを立てて降ろせるようになりますよ」(関プロ)
ダウンスウィングでシャフトが寝やすい現代。シャフトを立てて下ろす動きを取り入れることで、スウィングのバランスを整えることができるわけです。
正しい「フェース管理」が身につく
パター用グリップ
さらに、スライス発生のもうひとつの原因
「フェース管理」を身につけるために、
パター用のグリップを装着しているのもポイント。現代の大型ヘッドドライバーは、スウィング中にフェースを開くと、それを閉じるのが非常に難しい。そのため、なるべくフェース面がスクェアな状態をキープしたままスウィングしたいのだが、その感覚を身につけるには平らな面が正面を向いたパターグリップが最適だというのだ。
ドライバーなのにパター用グリップ。これが「フェース管理」上達の理由。
「手首の動きはコッキングとヒンジ、ロールの3種類があります。コッキングは上下、ヒンジは左右、ロールは腕全体を回す動きです。ヒンジとロールはフェースを開閉してしまいますが、コッキングはヘッドが走るだけでフェースの開閉はおきません。だからコッキングだけしてほしいんです。フェースの開閉を起こすヒンジやロールを抑え、ヘッドを加速させるコックだけを行う。その感覚を身につけるため、グリップの平らな面が左右に傾かないように意識して、この器具を振るのがポイントです。」(関プロ)
【使い方】
左手親指をグリップの平らな部分に乗せるように握ります。右手は握りやすいように握ればOKです。グリップの平らな部分が左右に傾かないように意識しながらスウィングしてください。実際にボールを打つ場合は、クラブが重いのでいつもより30ヤードくらい飛距離が落ちるイメージ。同じくらい飛ばそうと力む必要なありません。(関プロ)
①左手は親指をグリップの平らな面に乗せてスクエアに握ります
左手はスクエアに握ります
②右手はいつも通りに握ればOK
右手は握りやすいように 普段使っているドライバーと交互に素振りするだけでも十分に効果がありますが、実際にボールを打つことも、もちろん可能です。
気持よく振るだけで軽いドローボールに
フェース面を意識しながら振ることでスライスが改善されていくはずです(関プロ)
重いクラブを振ることでパワーアップ効果も
クラブの軽量化が進んだ今、パーシモン時代と同じ総重量440gのドライバーは重く感じるはず。日頃の練習に取り入れることで自然と体幹が鍛えられ、飛距離アップも見込めます。スライス解消とパワーアップのために、ぜひ、日頃の練習に取り入れてみてはいかがでしょう。
ヘッドカバーが付属
1974年生まれ。ゴルフ場研修生を経て渡米。最新のスウィング、クラブ、トレーニング、メンタル理論を学び、カリフォルニアプロツアーを転戦。 帰国後有名クラブ職人のもとでフィッティング理論、クラフト技術を習得。クラブ、スウィング、チューンナップとさまざまな切り口からレッスン及びフィッティングを行っている。 2005年4月より東京目黒にてSEKI GOLF CLUB目黒を主宰。